クリニック内装で重要な3つのポイント｜患者に好かれるために

クリニックの内装は患者さんの心理状態に大きな影響を与えています。

明るい照明や温かい色使い、そしてゆったりとくつろげる家具… 患者さんが安心して過ごせるような、居心地の良いクリニックの内装は、患者さんの満足度だけでなく、クリニックの評判にも繋がります。

この記事では、患者さんに好まれるクリニックの内装の特徴や、費用を抑えるための工夫、そして内装設計の流れについて詳しく解説します。 クリニックを開業する予定の方、あるいは内装リフォームを考えている方は必見です！

患者に好まれるクリニックの内装の特徴3つ

クリニックを選ぶとき、病院の設備や医師の腕はもちろん大切ですが、クリニックの内装も重要なポイントです。

病院という非日常的な空間は、患者にとって少なからず不安や緊張を感じる場所です。「なんだか病院って緊張するな」「早く帰りたいな」そう思った経験はありませんか？

それは、病院という特別な空間が私たちに与える影響かもしれません。

例えば、薄暗く冷たい雰囲気の待合室を想像してみてください。心細い気持ちになりませんか？ さらに、診察室に入るまでの間、他の患者さんの視線が常に気になるような作りだったらどうでしょう？ プライバシーが守られていないように感じてしまうかもしれません。

このように、病院の内装は患者さんの心理状態に大きな影響を与える可能性があります。

そこで、患者が安心して落ち着いて過ごせるような、居心地のよいクリニックの内装の特徴を3つご紹介します。

居心地の良さと安心感を提供するデザイン

例えば、待合室に大きな窓から太陽の光が差し込む明るい空間を想像してみてください。温かみのある照明で、ゆったりとくつろげるソファが置いてあると、それだけで緊張が和らぎますね。そして、優しい色合いの壁や床は、患者さんに安心感を与えてくれます。

ポイントは、

• 明るい照明
• 温かみのある色使い
• ゆったりとくつろげる設備

を取り入れることです。 内装は、病院の雰囲気を大きく左右します。例えば、白を基調とした清潔感のある待合室は、患者さんに安心感を与えるでしょう。また、観葉植物を置くことで、緊張を和らげ、リラックス効果も期待できます。

患者層に合った工夫と創意

病院には、さまざまな年齢層の患者さんが訪れます。そこで、それぞれの患者さんに合わせた工夫があると、より一層快適に過ごせるクリニックになります。

例えば、小児科の場合、待合室に絵本やおもちゃが置いてあると、子どもたちは退屈せずに診察を待つことができます。壁に可愛らしい動物の絵が描いてあると、病院に対する恐怖心を和らげることができるでしょう。

高齢者の患者さんが多いクリニックでは、段差をなくしたり、手すりを設置するなどのバリアフリー設計が重要になります。また、文字が見やすいように、案内表示を大きくするなどの配慮も必要です。

このように、患者層に合わせた工夫をすることで、患者さんは安心して来院することができます。

プライバシーと快適性を重視した配置

病院では、診察や検査など、プライバシーが求められる場面が多くあります。そのため、他の患者さんの視線が気にならないような工夫が必要です。

例えば、受付カウンターに仕切りを設けたり、待合室にパーテーションを設置することで、プライバシーを守ることができます。また、診察室までの通路を広く確保することで、車椅子の方やベビーカーを押す方が、他の患者さんとすれ違いやすくなります。

プライバシーに配慮した配置にすることで、患者さんは安心して診察を受けることができます。

クリニック内装設計の流れと重要ポイント3つ

クリニックの内装は、そこで過ごす患者さんにとって、安心できる空間であると同時に、働くスタッフにとっても、快適で効率的な作業環境である必要があります。

まるで、我が家のようにリラックスできるリビングのような温かい雰囲気の待合室、まるで、一流ホテルのように清潔感あふれるトイレ、そして、まるで、最新鋭のオペ室のように機能的で洗練された診察室。

このような理想のクリニックを作るためには、綿密な計画と、信頼できる内装会社との協力が欠かせません。ここでは、クリニックの内装設計の流れと、押さえておきたい重要ポイントを３つに分けて解説していきます。

計画段階における詳細なコミュニケーション

クリニックの内装工事は、患者さんが安心して来院できる空間を作るための重要なプロセスです。そして、このプロセスを成功させるためには、計画段階における綿密なコミュニケーションが欠かせません。内装会社と密に連携を取りながら、クリニックのビジョンを共有し、患者さんの立場に立った内装を設計していくことが重要です。

クリニックを開業する場所や、診療科目、対象とする患者層などを具体的に伝えましょう。

高齢者の患者さんが多い場合は、段差をなくしたり、手すりを設置するなど、バリアフリーの設計も重要になります。また、文字が見やすいように、案内表示を大きくするとよいです。

内装会社との打ち合わせでは、床材や壁紙のサンプルを見ながら、具体的なイメージを共有していくと、より具体的なイメージを掴みやすくなるでしょう。例えば、床材は、傷や汚れが目立ちにくいものを選び、壁紙は、落ち着いた色合いで、清潔感のあるものを選ぶと良いでしょう。

照明計画も重要な要素です。温かみのある照明を選ぶことで、患者さんに安心感を与えることができます。例えば、待合室には、間接照明を使って、落ち着いた雰囲気を演出し、診察室には、明るく、影ができにくい照明を使うことで、医師が患者の状態をよく観察できるようにすると良いでしょう。

工事の進行と品質管理の重要性

クリニックの内装工事が始まったら、内装会社と定期的に連絡を取り合い、工事の進捗状況や、現場で発生した問題点などを共有することが大切です。

信頼できる内装会社であれば、工程ごとに写真を撮影し、報告書を作成してくれるなど、進捗状況をわかりやすく伝えてくれるでしょう。また、使用する材料の品質や施工方法についても、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

例えば、壁紙一つをとっても、様々な種類があります。汚れにくい素材や、消臭効果のある素材など、機能性も考慮しながら選ぶようにしましょう。小さなお子さんがいる場合は、落書きをしても簡単に消せる特殊な壁紙もあります。

床材も、滑りにくい素材を選ぶことで、患者さんの転倒リスクを減らすことができます。特に、高齢者の患者さんが多い場合は、滑りにくく、クッション性のある素材を選ぶと安心です。

このように、こまめなコミュニケーションと、品質管理を徹底することで、安心して工事を進めることができるでしょう。

引き渡し後のアフターケアの大切さ

クリニックの内装工事が完了したら、いよいよ引き渡しです。しかし、ここで気を抜いてはいけません。引き渡し後も、内装会社との良好な関係を継続し、アフターケアをしっかり行ってもらうことが大切です。

例えば、施工箇所に不具合が見つかった場合、迅速に対応してくれるのか、保証期間はどのくらいなのか、などを事前に確認しておきましょう。例えば、壁紙が剥がれてきたり、床が鳴ったりした場合、すぐに修理に来てくれるのか、保証期間内であれば、無料で修理してくれるのかなどを確認しておきましょう。

また、定期的なメンテナンスや、清掃などのアフターサービスを提供している内装会社を選ぶことも大切です。例えば、定期的に壁紙の張り替えや床のワックスがけなどをしてもらえると、クリニックを長く綺麗に使うことができます。

アフターケアが充実している内装会社であれば、末永く、安心してクリニックを利用することができます。内装は、患者さんの印象を大きく左右する重要な要素です。信頼できる内装会社とパートナーシップを築き、患者さんにとって、居心地の良いクリニックを作っていきましょう。

クリニック内装にかかる費用とコスト削減の方法4つ

クリニックを開業するにあたって、内装工事は避けては通れない道ですが、その費用は決して安いものではありません。

「一体いくらかかるの？」「できるだけ費用を抑えたいけど、方法は？」

誰もが抱えるそんな疑問にお答えします。内装工事費用の仕組みを理解し、いくつかの費用削減のための戦略を立てることで、予算を最大限に活用し、理想のクリニックを実現しましょう。

内装工事の坪単価とその変動要因

内装工事の費用は、クリニックの広さやデザイン、使用する素材によって大きく異なり、「坪単価」を基準に見積もられます。坪単価とは、1坪（約3.3平方メートル）あたりの工事費用です。

例えば、60坪のクリニックを作る場合、坪単価が60万円なら、60坪×60万円/坪＝3600万円が内装工事費用になります。

クリニックの内装工事の坪単価は、一般的に50万円～が相場とされています。これは、一般的なオフィスビルの一室をクリニック仕様に改装する場合の費用です。

しかし、実際には、以下のような要因によって坪単価は大きく変動します。

• 物件の状態:
  • スケルトン改装: 建物を骨組みから作り直す大規模な工事が必要で、配管や電気工事の費用が高くなりがち。
  • 居抜き改装: 前のテナントの内装や設備を活用できるため、コストを抑えやすい。
• 内装のデザインやグレード: 
  • デザインやグレード: シンプルな内装か高級な内装かで費用が大きく変わる。
  • 設備導入: 医療機器など特殊設備は高額で、費用に大きく影響。
• 設備の導入: 医療機器やレントゲン室など、特殊な設備を導入する場合、その費用が大きく影響します。特に、高度な医療機器は高額になるため、導入する場合は慎重に検討する必要があります。
• 工事の規模と期間:
  • 規模が大きいほど費用が増加。
  • 短納期の工事では割増料金が発生することも。

このように、クリニックの内装工事の費用は、さまざまな要因によって大きく変動します。そのため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

費用を抑えるための物件選びのコツ

内装工事費用を抑えるためには、物件選びも重要なポイントです。コストを抑えつつ、クリニックに適した物件を見つけるためのコツを紹介します。

• 医療モールやテナントビルを検討する: クリニック開業向けの設計で、給排水や電気設備が整っているため、設備導入コストを削減可能。共用部分の清掃や管理もビル側が対応してくれるため、管理の手間が減ります。
• 居抜き物件を検討する: 前テナントの内装や設備が残っているため、内装工事費を大幅に抑えられる。特に、前クリニック物件は医療用設備がそのまま使えることがあり、機器購入費の節約にも。
• 立地条件を見直す: 一等地は賃料が高いため、ランニングコストも上がる。駅から少し離れていてもアクセスしやすい環境なら問題なく、賃料が安い場所を選べばコスト削減に。

複数の業者からの相見積もりをとるメリット

内装工事を依頼する際には、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することです。 これは、複数の業者から見積もりを取ることで、それぞれの業者の価格やサービス内容を比較検討できるためです。

相見積もりを取るメリットは、以下の点が挙げられます。

• 適正価格で工事できる業者を見つけられる: 
• より良いサービスを受けられる業者を見つけられる:
• 悪質な業者を避けられる: 

相見積もりを取る際には、同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

効率的な資金計画の立て方

クリニックを開業する際には、内装工事費以外にも、医療機器の購入費や人件費など、さまざまな費用が発生します。そのため、開業前にしっかりと資金計画を立てておくことが重要です。

効率的な資金計画を立てるためには、以下の点に注意しましょう。

• 収入と支出を明確にする: どれくらいの収入が見込めるのか、どれくらいの支出が必要なのかを、具体的に洗い出すようにしましょう。
• 余裕を持った資金計画を立てる: 予想外の費用が発生することもあります。そのため、余裕を持った資金計画を立てるようにしましょう。
• 専門家に相談する: 資金計画に不安がある場合は、金融機関や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

内装工事費は、開業資金の中でも大きな割合を占めます。しかし、しっかりと計画し、コスト削減を意識することで、必要以上に費用がかさむことを防ぐことができます。

クリニックの内装も意識して、安心して受診できる環境を整えよう

クリニックの内装は、患者さんの印象を大きく左右する重要な要素です。

患者が安心して落ち着いて過ごせるような、居心地のよいクリニックの内装には、明るい照明、温かみのある色使い、ゆったりとくつろげる家具が大切です。また、患者層に合わせた工夫、プライバシーに配慮した配置も重要です。

また、クリニックを開業するためにはクリニックの内装だけでなく様々な準備をする必要があります。クリニックを開業するためのロードマップはこちらをご覧ください。