本記事では、薬機法を踏まえて「医師監修」をLPや商品パッケージへ載せるときの表示の考え方と、医師監修を外部に依頼するときの実務手順がわかります。「商品に医師監修と載せたいが薬機法に触れないか不安」「どこまでの範囲なら載せてよいのか」とお悩みではありませんか。
医薬品等適正広告基準が定める医薬関係者の推せんの扱いや、化粧品・健康食品ごとの注意点、監修者情報の載せ方を、厚生労働省の基準・通知と薬機法の条文をもとに整理します。現役医師500名のネットワークで商品監修や薬機法・景表法の観点での広告レビューを手掛けるMedrockの知見もあわせて解説します。
商品の広告表現や医師監修の進め方について、専門的な確認を受けたい方はこちらをご覧ください。
医薬品等適正広告基準から見る監修表記の法的境界線とNGリスクの回避策
医師監修を表示するときの境界線は、医師が商品の効能効果を推せん・保証していると受け取られないかどうかにあります。医師による監修は信頼性を高める手段として有効ですが、見せ方を誤ると法令違反になるおそれがあります。
まずは薬機法と医薬品等適正広告基準が何を禁じているのかを押さえ、医師が関与した範囲を正確に示すことが重要です。
広告基準における「医師による推薦・効果保証」の禁止と適法な監修表現の境界
医薬品等適正広告基準は、第4の10「医薬関係者等の推せん」で、医薬関係者や病院・診療所などが医薬品等を「指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない」と定めています ※。
同基準の解説では、推せん広告は一般消費者の認識に与える影響が大きいため、例え事実であっても不適当とする趣旨だと説明されています ※。
また薬機法第66条第2項は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などの効能、効果又は性能について「医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事」を広告することを、同条第1項の誇大広告に当たるものとしています ※。
誤認を招きにくい書き方と、推せん・保証と受け取られるおそれがある書き方の違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 誤認を招きにくい書き方の例 | 推せん・保証と受け取られるおそれがある例 |
|---|---|---|
| 効能効果への言及 | 皮膚の構造など一般的な医学情報を、商品の効果と切り離して解説 | 「医師が効果を保証」「医師推奨の美容液」 |
| 監修範囲の明示 | 「このページの医学的な解説部分を監修」と範囲を明記 | 商品の効果そのものを医師が認めたと受け取れる表記 |
| 医師のコメント | 一般的な医学情報としての解説 | 「この商品で症状が改善する」という断定的なコメント |
「監修」という言葉を使っていても、広告全体として医師が商品を推せん・保証していると受け取られれば、上記の規制の対象になり得ます。監修者がどの範囲に関わったのかを正確に記載し、商品の効能効果を医師が保証する見せ方は避けることが基本です。
厚生労働省の通知等に基づく客観的判断と行政窓口への確認ポイント
表示が規制の対象になるかを判断する出発点は、その情報が「広告」に当たるかどうかです。厚生省医薬安全局監視指導課長通知「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」は、次の3つの要件をいずれも満たす場合に広告に該当すると判断するとしています ※。
- 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
- 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
- 一般人が認知できる状態であること
自社の商品LPや商品ページ、SNS投稿がこの3要件に当てはまるかを、まず確認しましょう。医薬品等の広告の監視指導は都道府県等を中心に行われているため ※、判断に迷う表現は、管轄の都道府県等の薬務担当窓口や薬事に詳しい専門家へ確認することが望ましいといえます。
商材別の掲載基準とLP・商品パッケージでの記載の考え方
化粧品と健康食品では、適用される規制の枠組みが異なります。化粧品は薬機法と医薬品等適正広告基準の対象ですが、健康食品は医薬品等ではないため、医薬品的な効能効果をうたった時点で医薬品とみなされるかどうかが問題になります。意図しない違反を防ぐためにも、商材と媒体の特性に合わせて書き方を整える必要があります。
商材ごとの表記ルールや監修表記の設計について詳しく相談したい方は、こちらの窓口をご覧ください。

化粧品LP・商品ページにおける効能表現の制約と監修者情報の表示ルール
化粧品の効能効果は、原則として厚生労働省の通知で定められた「化粧品の効能の範囲」(56項目)の中で表現します(メーキャップ効果や使用感など、事実に基づく一部の表現は別に認められています) ※。
日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」も、F11「医薬関係者等の推せん」で推せん広告の制限を定めています。なお、医師ではない人が白衣姿で登場する場合も、医薬関係者と誤認させないことが求められています(E14) ※。化粧品の広告規制の全体像は、化粧品広告ガイドラインの基本ルール でも確認できます。
LPや商品ページに監修者情報を載せる際の形式は、下表にまとめました。
| 掲載項目 | 記載のポイント | 留意事項 |
|---|---|---|
| 監修者の肩書 | ・記事・解説ページでは、現役医師である事実と担当診療科・所属学会を明記 | 専門外の領域を過度に強調しない。商品LPで肩書を強調すると推せんの印象が強まるため控えめにする |
| 監修の対象範囲 | ・「肌の構造に関する解説を監修」と記載 ・監修部分を明確に区切る |
商品そのものの効能保証と受け取られない工夫をする |
| 顔写真とプロフィール | ・実名と写真を掲載する場合は、監修者と取り決めた掲載範囲を守る ・客観的な経歴情報を添える |
実在の医師の実名・写真を商品LPに載せる場合は、医薬関係者の推せん(F11/基準第4の10)に当たらないかを、広告全体で個別に確認する |
化粧品では、医師が商品を勧めているように見える表現は、事実であっても避けるのが基準の考え方です。肌の仕組みなど一般的な知識の解説に限定し、効能効果は「化粧品の効能の範囲」の中で表現することが基本といえます。
健康食品・サプリメントで成分の妥当性を伝えるための記載フォーマット
健康食品は医薬品ではありませんが、疾病の治療・予防などの医薬品的な効能効果をうたうと、原則として医薬品に該当すると判断されます ※。承認を受けていない医薬品の広告は薬機法第68条で禁じられているため、こうした健康食品の広告は同条などに抵触するおそれがあります ※。厚生労働省の「無承認無許可医薬品の監視指導について」は、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより医薬品的な効能効果を暗示するものも、医薬品的な効能効果の標ぼうに当たるとしています ※。医師のコメントを載せる場合は、それが商品の効能効果を暗示する形になっていないかを特に注意する必要があります。
医師の監修情報を載せるときに押さえたい点は、下記に整理します。
- 医師の解説は、配合栄養素の一般的な情報にとどめ、疾病の予防・改善に結びつけない
- 「〇〇病が気になる方に」「便秘ぎみの方に」など、症状や病気を持つ人に摂取を勧める表現を避ける
- 監修者の氏名と専門診療科を明記し、監修した範囲を示す
- 注記を添えても、本文が医薬品的な効能効果を暗示していればリスクは残る
なお、同通知では、栄養補給、健康維持等に関する表現は医薬品的な効能効果に当たらないとされる一方、虚偽誇大な表現は景品表示法や健康増進法に抵触するおそれがあるとしています ※。

商品パッケージや同梱物へ展開する際の掲載媒体範囲と表示上の注意点
商品の容器や外箱、添付文書への記載は、広告とは別に「表示」として薬機法の規制を受けます。たとえば化粧品では、薬機法第62条で準用する第54条により、容器・被包・添付文書に「虚偽又は誤解を招くおそれのある事項」を記載してはならないとされています ※。
同梱するチラシやパンフレットが広告に当たるかどうかは、前述の3要件で判断されます。健康食品では、容器・包装・添付文書・チラシのいずれで説明しても、医薬品的な効能効果の標ぼうとして扱われます ※。
限られた表示面積のなかで適正に伝えるための注意点は、以下のとおりです。
- 監修者との取り決めに、パッケージや同梱物への掲載が含まれているか確認する
- 「医師監修」の文字だけでなく、何についての監修かを併記する
- 医師が効果を保証していると誤認させるデザインを避ける
- 外箱・容器に医師名や「医師監修」を載せるかどうか自体を、事前に薬事の専門家や管轄窓口へ確認する
紙面や箱の面積が狭い場合でも、監修の範囲をあいまいにすることは避けるべきです。容器・外箱への医師名の表示は推せんと受け取られやすく、慎重な判断が必要です。事前の取り決めと表示の確認を怠らない姿勢が重要といえます。
訴求力を落とさずに医学的妥当性と広告法規を両立する表現調整
法令に触れる箇所をただ削るだけでは、商品の強みが伝わりにくくなります。認められた表現の範囲の中で、事実に基づいた言い方へ置き換えることが基本です。
法令違反リスクを回避しつつ商品の強みを伝える言い換えのアプローチ
言い換えの基本は、治療的な表現や推せん・保証に見える表現を、認められた効能の範囲や客観的な事実の説明へ置き換えることです。要点は次のとおりです。
| 避けたい表現 | 考え方 |
|---|---|
| 「肌の荒れを完全に治す」 | 治療的な表現になる。化粧品は「化粧品の効能の範囲」の表現(例:「肌荒れを防ぐ」)の中で伝える |
| 「医師が効果を推薦する成分」 | 推せん・保証と受け取られるおそれがある。医師の名前と商品の効果を結びつけない |
化粧品のNG表現と言い換えの具体例は、コスメ広告のNG表現とOKな言い換え で詳しく解説しています。
URL入力型AIチェックによる事前検知と現役医師によるレビューの使い分け
URL入力型AIチェックは手軽な一次確認に、現役医師によるレビューは文脈を踏まえた最終確認に向いています。URLを入力するだけでリスク箇所を検出するAIチェックは、手軽な一次確認の手段です。
Medrockのドクターチェックスでは、URLを入力するだけのAIチェックを無料で試せます。チェックツールの選び方は、薬機法チェックツールに関する解説記事 も参考になります。ただし、AIチェックは医師による専門的なレビューの代わりにはなりません。
両者の役割と使い分けのポイントは、下表にまとめました。
| 確認方法 | 主な役割と強み | 適した活用場面 |
|---|---|---|
| URL入力型AIチェック | ・リスク語句の機械的な即時検知 ・手軽な一次確認 |
制作初期のドラフト確認や広告の簡易スクリーニング |
| 現役医師によるレビュー | ・医学的妥当性に沿った調整案の提示 ・薬機法や広告指針を踏まえた多角的な判断 |
公開前の最終確認や商品LPの表現の見直し |
機械による検知と専門家のレビューを組み合わせることで、見落としを減らしやすくなります。法令上の最終的な判断は、管轄の薬務窓口や薬事の専門家にご確認ください。
診療科に合わせた専門医選定と商品監修の取り組み実例
商品監修では、商材の用途に合った診療科の医師を選ぶことが基本です。以下はMedrockの商品監修の実績です。いずれも医師が商品の効果を保証するものではありません。本記事では販売数や広告成果は扱いません。
整形外科専門医と共同設計した高機能腰サポーターの仕様監修
高機能腰サポーターの商品監修では、整形外科専門医と共同で設計し、テコ構造・ボーン設計に医師の知見を反映しました。
小児科専門医とのタイアップによるDr.Habitシリーズ等の商品監修
小児科専門医とのタイアップでは、テレビ・ラジオ・雑誌・Webでの発信に加えて、Dr.Habitシリーズ等の商品監修を行っています。
メディカルウェアブランドCURLY&Co.における動作性・実用性の検証
メディカルウェアブランドCURLY&Co.の商品開発監修では、動作性・清潔感・現場での実用性を医師の視点で検証しました。
医師監修の外部依頼における実務手順・費用相場と契約条件
医師監修を外部に依頼するときは、監修の対象範囲と掲載できる媒体・期間を先に取り決めることが重要です。ここではMedrockの医師監修サービス「ドクターチェックス」の公開情報をもとに、費用・流れ・掲載条件を整理します。
記事・商品・LPごとの費用の目安
費用は、対象となる制作物の種類と、医師の実名や顔写真を載せるかどうかなどの掲載範囲によって変わります。依頼内容別の費用の目安について、下表にまとめました(税抜)。
| 監修メニュー | 費用の目安(税抜) | 含まれる主な内容 |
|---|---|---|
| 記事監修 | 1本15,000円〜(3,000字まで) (顔写真つきは20,000円〜) |
監修コメント、監修医の実名・診療科・経歴の掲載 |
| 商品監修 | 掲載範囲(匿名/実名・媒体)でお見積り (顔写真つきは100,000円〜が目安) |
成分・仕様の妥当性、使用上の注意、表示の確認 |
| LP・広告の表現レビュー | 100,000円〜 | ・薬機法・景表法・医療広告ガイドラインの観点での指摘 ・表現の調整案 |
価格は医師の専門性・文字量・案件内容により変動します。

可否回答2営業日・見積り3営業日を含む依頼から納品までのスケジュール
お問い合わせから納品までの基本的な流れは、下記に整理します。
- お問い合わせ後、「この内容で監修できるか」を2営業日以内に回答
- 担当医師の候補や見積り、掲載条件を3営業日で提示
- 医師による監修の実施(記事1本の監修は7営業日が目安)
- 監修コメントや監修者情報の納品と、掲載後の監修表記の書き方の案内
納品までの日数をあらかじめ把握しておけば、公開日から逆算した出稿計画を組みやすくなります。
監修者情報の掲載範囲と掲載期間(1年ごとの更新)の留意点
医師の実名や顔写真などの監修者情報は、事前に取り決めた媒体と期間の範囲で掲載できます。取り決めの外で使うと、監修者との信頼関係を損ねる原因になります。
掲載条件における注意点について、以下のとおりです。
- 掲載できるのは、取り決めた媒体(記事・LP・商品ページなど)と期間の範囲
- 掲載期間は1年ごとの更新
- 別媒体・広告・パッケージ等で使う場合は事前に相談する
- Medrockは医学的に支持できない表現は通さない方針
まとめ
医師監修を活用するときは、医師が商品の効能効果を推せん・保証していると受け取られないよう、監修した範囲を正確に示すことが基本です。化粧品は「化粧品の効能の範囲」と医薬関係者の推せんの扱いに、健康食品は医薬品的な効能効果の暗示に注意し、パッケージなどの表示も含めて確認しましょう。
自社商品の監修可否やLP・広告表現の確認を検討されている方は、指摘一覧と調整案の提示に対応した専門窓口へ相談してみてはいかがでしょうか。


